【マーベル】『マイティ・ソー/バトルロイヤル』あらすじ・感想・小ネタ

『マイティ・ソー/バトルロイヤル(原題:ラグナロク)』はマーベル・シネマティック・ユニバース17作目で、ソーの単独映画としては3作目です。

あらすじだけは大きなネタバレを避けて書いています。これから映画を観るという方は、あらすじだけ読むのをお勧めします。

 

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あらすじ

『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』の後、ソーはインフィニティ・ストーンを探して宇宙を回った。しかし手掛かりは手に入らず、炎の巨人”スルト”に捕まっていた。

スルトを倒しアスガルドに帰還したソーは、アスガルドや父オーディンの様子がおかしいことに気付き、オーディンの正体がロキの変身であることを見抜く。ソーはオーディンがどこに居るのかロキを問い詰め、共に地球へ向かった。

ドクター・ストレンジの協力によってオーディンと再会したソーとロキ。ソーはアスガルドへ帰るよう促すがオーディンは拒む。そしてオーディンから、ソーにはヘラという名の姉がいて、あまりに暴力的な性格に手を焼き幽閉していると打ち明けられる。オーディンは2人で協力して戦うよう言い、光となって消えた…。

 

 

感想・雑記<ネタバレあり>

まず特筆すべき点は、邦題についてでしょう(笑)。

原題の『Ragnarok(ラグナロク)』は北欧神話の、神々の世界の終焉を意味する言葉です。ファンタジー系の小説やゲームなどで聞いたことのある方もいると思います。

一方で『バトルロイヤル』はプロレスなどの試合のことですよね…。この映画の主題はソーとハルクが戦うことではないので、的外れな邦題です(終盤の、橋の上での戦いもバトルロイヤルに見えはするかも)。バトルロイヤルにした方が興収が伸びるとの判断だったのでしょうか?シリーズを重ねているものなので、新規の顧客を獲得するための工夫が必要なのは分かりますが、いくらなんでも改悪し過ぎです(笑)。映画ファンよりも、映画の製作者に対して失礼なのでは?製作者に「映画の内容と関係無いタイトルにするけど、こっちの方が売れると思うよ」って言ってるようなものですから。今作に限った話ではなく、配給会社は製作者にもっと敬意を持った方が良いと思います。(※邦題は配給会社が決めています。)

 

冒頭からソーのアクションシーンを見せてくれるのが嬉しい。ムジョルニアを使った戦い方も円熟味を増しています。しかしムジョルニアを破壊されるというショックな展開に。アスガルドの天井絵にはヘラがハンマーを持っているのが描かれていたので、元々ムジョルニアはヘラの持ち物だったようです。片手で受け止められたのは、元々ヘラの持ち物だったからという解釈で良いのでしょうか。それともヘラもアスガルドの王に相応しい人物だったとか?笑

ストレンジは全く腕を動かさずに魔術を発動していて、オリジンの時よりも格段にレベルアップしているのが分かります。ストレンジvsロキという魔法使い対決を見てみたかった。ロキは「30分も落ち続けていた」ということで、地面に激突する前にポータルで上空へ…の繰り返しだったのかなと想像してますが、どんなトリックなのでしょうか。ソーとロキの2人を手玉に取ってしまうストレンジ、カッコいい。

 

今回のソーは、自分がヒーローであることをかなり意識してますね。「俺は問題に立ち向かう道を選んだ」ってすごくカッコいい。他にも、ソーがやっとロキを出し抜いてスッキリしました。「人生とは成長して変わることだ」というセリフが強く記憶に残ります。

今作のロキは、ソーの言う通り成長はしていないのかもしれませんが、今までとは違いますね。今までは影のある油断ならないヴィランだったのが、今回はお笑い物に。それはそれとして、ニューヨークでジェーンと別れたと言われたソーの背中をロキが叩いたのがすごく意外に感じました。そんな慰めるような態度を取るとは。オーディンが逝く前に「愛しているぞ、息子たち」と言った後、ロキが少し驚いたような、意外な顔でオーディンの顔を見返したのも印象に残りました。あと、最後の「いるよ」とか。

今までソーは多くの能力をハンマーに依存しているように見えたし、ハンマー無しで雷が出せるのか、ハンマー無しで空を飛べるのか疑問に感じていましたが、今作でスッキリ解決して良かった。ソーでさえ、自分の力(雷)はハンマーによるものと誤解していたようですね。

オーディンは今までは年老いても強いライオンみたいなイメージでしたが、今回は死んだこともあって穏和な老父という印象でした。ソーの2回目の回想(?)で登場したオーディンなんかすごく胸を打つ。「あのハンマーはお前の力を制御するための物」とか、「お前の方が強い」とか。生まれながらに強大な力を持っていたから、オーディンはハンマーを持たせたということですね。『エイジ・オブ・ウルトロン』でアベンジャーズはワンダのマインド攻撃を受け、自分が恐れるものを見せられました。ソーが見せられた夢で、ヘイムダルから「お前は全てを破壊する」と言われていましたが、あれはこの作品に繋がっていたのかなと思いました。

 

アスガルドは武を尊ぶ国だと思いますが、兵士ではない民間人が多く居たのが意外でした。全員が兵士だったら全員がヘラに殺られていたでしょうが…。

 

コーグがすごく良いキャラです。「革命を企てたけど宣伝不足で集まったのはママとそのゲス恋人だけ」とか(笑)。それは革命とか宣伝以前の問題で失敗だったのでは…?あと、ソーとのハンマーについての会話が面白い。

ソー 「空を飛ぶこともできた」
コーグ「ハンマーに乗って?」
ソー 「そうじゃない」
コーグ「ハンマーが上?」

とか(笑)。その発想は無かった。

 

ソーがナターシャの真似をして、ハルクをブルースに戻そうとしましたが失敗しました。そしてハルクは過去作を含めて、ベティ、ナターシャ、ヴァルキリーには心を許しているように見えます。サカールでブルースに戻ったのも、クインジェットの中でナターシャの映像が出たからです…。ここから導き出される結論は、やっぱり「ハルクは美人に弱い」ということです(笑)。美人がハルク最大の弱点だと思われます。

それはともかく、ハルクvsソーは『アベンジャーズ』に続いて2度目ですね。ハンマーが無くても、雷神の力に目覚めたソーの方が強かったみたいです。今までソーとブルースの会話はあまり無かったと思うので、今回は2人の掛け合いがあって良かった。ソーがハルクとブルースそれぞれに「あんたの方が好きだ」と言うとか(笑)。

ロキといいヘラといい、何でシカ頭なのか謎です(笑)。あの角カッコいいですか…?ヘラは現れるなり「ひざまずけ」と言いましたが、ロキも『アベンジャーズ』の時、ドイツで「ひざまずけ」と言っていました。ソーよりもロキの方がヘラに似たキャラです。どちらもヴィランだから、当然と言えば当然ですが。天井絵によれば、オーディンもかつてはシカ頭だったみたいです(笑)。

 

ちょっとした疑問<ネタバレあり>

  • スルトに関してソーの「父上が50万年前に殺したと思っていた」というセリフがありますが、アスガルド人の寿命は約5000年だったはずでは?『ダーク・ワールド』の序盤のオーディンとロキの会話で、地球人とは寿命が「5000年の差が」あるとの話でしたが。ソーがわざと大袈裟に言っただけでしょうか?皮肉として。

 

  • ソーの仲間のウォーリアーズ・スリー(3戦士)の扱いが軽いですね。ヴォルスタッグとファンドラルの2人は、アスガルドに到着したヘラに瞬殺されてしまいました。ホーガンは健闘しましたが串刺し。しかしホーガンは何でアスガルドの司令官みたいになっていたのでしょう?前作『ダーク・ワールド』で故郷の星に残ったはず。そして女戦士シフは出番すら無し。ヴァルキリーとキャラが被るからリストラ?アスガルド以外の星に移住したのでしょうか?ソーが4人について一切言及しないので、存在も忘れてしまうほどです。少しくらい説明してほしい。

 

  • 『マイティ・ソー』でオーディンはソーを地球に追放する際、ヘイムダルの剣ではなく自分の槍=グングニルでビフレストを使いました。ロキもグングニルでビフレストを使い、フロスト・ジャイアントをアスガルドに呼び入れていました。だからヘラも、グングニルでビフレストが使えたはずでは?グングニルで使えることを知らなかったのでしょうか?

 

  • ハルクはクインジェットに乗ってサカールに来ていたわけですが、ワームホールを通過して来たと思われます。となると、地球の近くにワームホールがあるのか気になります。あと、グランドマスターが「ここでは時間の流れが違う」と言っていました。実際ソーとロキは数秒か数十秒の差でサカールに到着したのに、ロキは既に「weeks(数週間)」も滞在していたと。だからハルクがサカールに居た時間は、ソーの言う「2年」よりも長い可能性があるのではないでしょうか。ヴァルキリーも、かなり長い時間をサカールで過ごしていたかもしれません。場所によって時間の流れが違うというのは、『インターステラー』みたいで面白い。サカールの時間の流れが遅いということは、重力がかなり強い星なのかな?と気になりました。

 

小ネタ<ネタバレ多数>

  • 劇でソーを演じていたのは、ソー役のクリス・ヘムズワースの実兄であるルーク・ヘムズワースです。
  • 劇でロキを演じていたのは、『ボーン・アイデンティティー』や『オデッセイ』などで有名なマット・デイモンです。
  • 劇でオーディンを演じていたのは、『ジュラシック・パーク』や『ジュラシック・パーク3』のグラント博士で有名なサム・ニールです。

 

 

  • オーディンがノルウェーに居た理由ですが、オーディンがかつてフロスト・ジャイアントから地球を守るために戦った場所がノルウェーだったためだと思われます。オーディンにとっての地球の思い出は、ノルウェーにあったのではないかと。おそらくストレンジがニューヨークでオーディンを発見した後、本人の希望でノルウェーに居たのではないかと想像しています。地球に居た一番の理由は、もちろんロキが地球に追放したからですが、アスガルドから力を得るヘラをアスガルドで解放しないためだったのでしょう。

 

  • 原作のヘラはロキの娘です。映画版ではオーディンの娘とする方が、話が作りやすかったのだと思います。

 

  • サカールの支配者グランドマスターは、ノーウェアにいるコレクターの兄です。2人の関係が今後描かれるのかは分かりません。

 

 

  • 岩の体のクロナン人コーグを演じたのは、本作の監督であるタイカ・ワイティティです。クロナン人は『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』や『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』で少しだけ登場していました。

 

 

  • オーディンやヘラなどアスガルド人はかつて、略奪によってアスガルドの黄金を築いたという話でした。現実的なことを言うと、地球で金はもちろん希少価値の高い金属ですが、実は宇宙規模で見ても金は貴重です。金やプラチナのような重い金属は、宇宙でなかなか生成されないのです。映画・小説・ゲームなど作り話ではよく金の武器・防具が登場しますが、現実には重い上に柔らかいので使い物になりません。そもそも希少だから集めにくい。

 

 

  • ソーがクインジェットのセキュリティ解除に言った「サーファーくん(日本語字幕)」(英語だと「Point Break」)は、『アベンジャーズ』でトニーがソーに向かって言った言葉です(アイアンマンvsソーの後、ヘリキャリアで言った)。『Point Break』は1991年のキアヌ・リーブス主演の映画で、邦題は『ハートブルー』になっています。(話の内容は『ワイルド・スピード』に近いです。2015年に『X-ミッション』というタイトルでリメイクもされています。)この『Point Break(邦題:ハートブルー)』に登場する強盗団のリーダーが金髪のサーファーで、ソーと見た目が似ているためトニーが冗談で言った言葉だったのです。

 

 

  • サカールからの脱出計画を話し合っている時、ヴァルキリーが「町外れのワームホールを抜けてザンダーで補給。着くのは18ヶ月後」と言っていました。ザンダー星というのは『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』の舞台となった星ですね。ザンダーは有名らしいので、宇宙の要衝にあるのかもしれません。ザンダーは『ガーディアンズ』で「CAPITAL OF THE NOVA EMPIRE(ノバ帝国の首都)」とテロップが出ていました。
  • ちなみにヴァルキリーがソーを売った時の通貨は、「units(ユニット)」と言っていて、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』での通貨も同じでした。例えば最初にロケットが「こいつを見つけていくらになるんだ?40,000 units?(4万ユニット)だと?」と言っていたし、クイルに「オーブを売ったらいくらになるんだ?」と刑務所で聞かれたガモーラが「Four billion units(40億ユニット)」と答えたりしています。更に、義足を入手したクイルが「3万はらったのに!」と言った時も英語では「30,000 units!」となっていたし、「何で払えば?」と聞くコレクターに対しロケットは「Units!」と答えています。”ユニット”というのは宇宙で広く使われている通貨なのかもしれません。

 

 

  • ソーが最後、宇宙船の中でイスに座る時、『マイティ・ソー』のテーマ曲が流れます。『マイティ・ソー』でアスガルドが最初に映った時に(00:05:40頃から)この曲が流れました。そしてアスガルドが消滅し、ソーが王になった時に再びこのテーマ曲が流れる…。アスガルドを巡る話がここに完結したと感じさせます。

 

終わりに

邦題の問題を除けば、僕にとって今作はシリーズ中でかなり面白い作品でした。オーディン死去、ムジョルニア破壊、仲間を殺される、片目を潰される、アスガルド消滅などかなりショックな出来事の多い作品ですが、マーベルらしいユーモアや遊び心のお陰であまり暗い気持ちにならずに済みます。

マーベル映画はヒーローものなので、派手な映像やアクションシーンなどに目を奪われますが、本作は『ガーディアンズ  Vol.2』のような家族や友情の話だと感じました。

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